2020/02/03
赤ちゃんのおむつかぶれ、虫さされ、小さな傷などから細菌感染し、そこから水泡がどんどん周辺の皮膚に広がっていく病気、「とびひ」をご存じですか?
高温多湿な夏場に特に注意したい赤ちゃんのとびひ、詳しい症状や治療法、予防について知っておきましょう。
目次
とびひとは?夏に赤ちゃんに多くうつる原因
「とびひ」というのは正式な病名ではなく、正しくは「伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)」といいます。
誰の皮膚にもいる黄色ブドウ球菌や、鼻の奥にいる溶連菌が原因ですが、乳幼児がかかるほとんどのケースは、黄色ブドウ球菌が原因の「水泡性膿痂疹(すいほうせいのうかしん)」です。
虫さされやあせも、小さな傷などを掻きむしることによって原因菌である黄色ブドウ球菌がその部分に入り込み、増殖する時に毒素を出します。この毒素が表皮の細胞をつなぐ組織を切断し、水疱(水ぶくれ)ができます。
水泡は膿(うみ)を持つようになり、次第に破れていきます。その部分がかゆみを伴うので赤ちゃんがさらに掻きむしってしまい、その手で他の部分を触ると、そこも感染してしまい、どんどん広がっていきます。
とびひは年間を通して見られるものですが、高温多湿の夏場は特に菌が繁殖しやすいので、かかる子どもが増えます。
衣服も肌を露出させるものが多いため、虫刺されやおむつかぶれ、あせもなどのかゆみを感じると、赤ちゃんはどうしてもかきむしってしまってとびひを誘発しやすくなってしまいます。
とびひが赤ちゃんにうつった場合の治療方法
とびひを放置しておくと、症状が悪化して治りにくくなります。
早めに皮膚科や小児科を受診すれば、そのぶん早く治すことができます。
治療は、身体の外と中から細菌を撃退していきます。
・外用薬
抗生剤の入った軟膏を処方されます。患部を清潔にして軟膏を塗り、全体をガーゼで覆い、1日に1~2回くらい取り替えます。
また、かゆみを抑える抗ヒスタミン薬が処方されることもあります。
・内服薬
抗生物質が処方されます。見た目はよくなったようでも菌が残っていると再発することがあります。指示通りに最後まで飲むようにします。
とびひが赤ちゃんにうつった場合の自己治療について
積極的におすすめすることはできませんが、赤ちゃんがとびひになってしまった場合、自己責任のもと自宅で治療することも不可能ではありません。
とびひで医療機関にかかると、外用薬、内服薬ともにほぼ100%抗生物質を処方されます。
しかし、近年では抗生物質によって耐性菌が生み出される危険性や、腸内フローラを乱す危険性も指摘されています。
とびひ治療の要点は、あくまでも「赤ちゃんの体の中と外から原因菌を退治する」ということであり、抗生物質はその手段の1つでしかありません。
・お母さんの食事改善をもって母乳の質を常に上げておくこと
・シャワーの際にはきれいに洗ってあげること
・こまめに人体に害のない「銀イオン」の入ったスプレーをとびひ部分に吹きかけて殺菌すること
・スプレー後は患部にワセリンなどを塗ってガーゼで覆い、菌が広がらないようにすること
以上を心がけるだけで、治療開始から約1週間でとびひは完全に治癒し、その後再発もなかったというケースがあります。これは医療機関を受診した場合と時間的な大差はないと思います。
あくまで自己責任であり、できるだけ医療機関に頼りたくない、抗生物質は子供に飲ませたくない、塗りたくないという方がいれば、このような方法もあるということをお知らせいたします。
とびひが赤ちゃんにうつった後のお風呂の入り方
家族への感染を防ぐためにもシャワーにしておくのが無難ではありますが、どうしてもという場合は一番最後に入れてあげるのがよいでしょう。
石鹸を泡立てて患部を優しく洗い、シャワーで丁寧に洗い流してください。入浴した場合、お風呂から出る前に必ずシャワーのきれいなお湯をかけてから出るようにしましょう。
タオルでふく時は、まず髪の毛などとびひでない部分からふくようにし、患部は面を変えながら(必要があれば別タオルで)こすらずに水分を吸い取る感じでタオルを当てます。
ふき終わったら患部に丁寧に薬を塗り、ガーゼで覆ってテープで固定してから衣服を着せるようにします。
とびひが赤ちゃんにうつるのを予防するために
皮膚を常に清潔にしておくことが大切です。以下のようなことに気をつけましょう!
・汗をかいたらふいたり洗い流したりするなどして清潔にする。
・けがや虫刺されは早めにケアして、かきむしらないようにする。
・爪が伸びていれば短く切る。
・しっかり手洗いをする。
おわりに
夏場は高温多湿な上、おむつかぶれや虫さされなど赤ちゃんが肌をかきむしってとびひにかかる可能性が増えます。
とびひにかからないよう、日ごろから気をつけていきたいですね!
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