2020/02/03
日本の夏は、暑くてじめじめして本当に過ごしにくい季節ですね。
しかし、食中毒菌にとっては繁殖するのに最も適した季節です!
いったん食中毒にかかると、下痢や嘔吐で大人でさえ辛いものですが、抵抗力の弱い赤ちゃんは重症化することも少なくありません。
ここでは、夏場に赤ちゃんの食中毒を予防するためのポイントや、かかってしまった時の対処法をお伝えします。
目次
食中毒を赤ちゃんに感染させないために知ろう!細菌に好条件の梅雨
まだ私が新米主婦だった頃、初夏にたくさんシチューを作って「これでしばらく手が抜ける!」とウキウキして日中出かけたところ、帰宅するとシチューから妙な臭いがして糸がひいていてガッカリ、すべて泣く泣く廃棄したという苦い経験があります。
このように、
気温が高くなると食品の傷みは早くなってきます。赤ちゃんのいるおうちは、なおさら注意が必要です!
細菌は30度から37度の間くらいが最も増殖しやすい温度です。
また、野菜でも生だと腐り、乾物になると腐らなくなることからもわかるように、水分(湿気)があるとそこから栄養が吸収できます。
なので、高温多湿の梅雨から夏は、細菌にとっては増殖に好条件なのです!
食中毒が赤ちゃんにうつるとどんな症状が出るの?
食中毒になると、菌が体内に入ってから20分くらいで下痢や嘔吐などの症状があらわれます。けいれんが起きたり発熱することも。
大人より抵抗力の弱い赤ちゃんは重症化するとも言われています。菌血症を起こしたり、敗血症を合併し死亡することもまれにありますので、注意が必要です。
食中毒に赤ちゃんが感染するのをどうやって予防したらいい?
食中毒を予防する大原則として、
「菌をつけない」「菌を増やさない」「しっかり殺菌する」
というものがあります。
しかしまだ抵抗力の弱い赤ちゃんのいるおうちの場合は、「(食中毒の危険のある食べ物は)食べない」ということも大切です!
以下、食中毒予防のポイントを見ていきましょう。
1.冷蔵庫を整理して、常に7割程度にとどめる。
温度が低くても菌は存在します。冷蔵庫は扱い方によっては食中毒の危険性が高くなります。
ぎっしり詰まった冷蔵庫は、扉を開けるとすぐ温度があがり、閉めた後元の温度に戻るまでにすごく時間がかかります。冷気の通り道が食材でふさがれているためです。
逆に、スッキリした冷蔵庫は扉を開けても、閉めた直後からすぐに温度が下がっていきます。道理ですね。
なので、冷蔵庫内は7割程度におさめ、何をどこに入れるか決めておけば、扉の開閉時間や回数もぐっと減ります。
2.買い物の時点から気をつけよう!
新鮮な食材を選びましょう。必ず消費期限をチェックしてそれまでに使い切ってください。
買い物をしてから帰宅するまでに、どんどん食材の温度が上がって菌が増殖します。買い物の時間帯は最も暑い時間を避け、終えたらすぐ帰宅しましょう。
肉や魚などの食材は必ずビニール袋に入れるようにして、ドリップが他の食品に移らないようにし、サービスの氷や保冷バッグなどで温度をキープしてください。
3.手洗いの徹底
手指は広い範囲に菌を広める危険性があります。調理の前に手を洗浄することはもちろんですが、生の肉や魚を触った後もすぐに手洗いしてください。
手のひらや甲だけでなく指や爪の間、手首も、20秒はかけて洗ってください。仕上げに殺菌消毒をするとなお安心です。
4.調理器具や食器を清潔に
きちんと洗えていないと、そこから菌が繁殖します。完全に菌を落とすため、除菌ができる洗剤なども活用しながらきれいに洗い流して完全に乾燥させます。
赤ちゃんのいる家庭で特に注意したいのは、離乳食作り使うすり鉢(溝につまった汚れ)や、哺乳瓶、おしゃぶりです。特にすり鉢やおしゃぶりは、使用前にも一度洗った方が安心です。
5.見落としがちなふきん・タオル・スポンジも清潔に
意外と殺菌消毒を忘れがちなこの3つ。ただ、スポンジは某社のCMで菌が大量に存在することがよく知られるところとなりました。
これらは熱湯消毒が有効だと言われていますが、除菌効果のある洗剤を利用した方がお手軽かもしれませんね。
ふきんやタオルは、一日に何度も同じものを使う事があるかもしれませんが、どんなに乾燥させても菌がいなくなることはありません。毎回交換することをおすすめします!
6.食材を十分に加熱する
O-157などの病原性大腸菌は75度以上・1分以上の加熱が必要で、しっかりと内部まで75度以上になるよう加熱してください。
鶏肉や水に見られるカンピロバクターも、十分に加熱してください。赤ちゃんのミルクは離乳食用の水はできるだけ煮沸してから使うようにしてください。
また、野菜は夏場でも加熱調理をした方が安心です。
7.作り置きを放置しない
作り置きは菌の繁殖を招きますので、作ったものはできるだけすぐに食べてしまいましょう。
冷凍保存については、調理済みのものを冷凍するのではなく、材料や下ごしらえしたものを冷凍することをおすすめします。
また、ミルクの作り置きは絶対にNGです。
食中毒が赤ちゃんに感染しないための予防と対策法!「うっかり」に気をつけて!
質問サイトで、赤ちゃんの親御さんが食中毒を心配してあわてて質問しているケースが多々見受けられます。
・前日に作った材料でおにぎりを作って食べさせたら、糸がひいていたのに気づいた
・冷蔵庫に長期間入れっぱなしだった食品を家族が知らずに食べさせてしまった
・子どもが泣くので慌てていて、生肉を切った包丁とまな板の洗浄を忘れて離乳食用のおかずを切って食べさせてしまった
・一度開けたベビーフードを食べ残したので、数時間たってまた食べさせた
どれも、うっかりやってしまったことで不安になって質問しているケースでした。
当然それがいけないことだとはどなたもわかっているはず。
冷蔵庫で何をどこに入れるかルール作りをする、いつ調理したものかラベルを貼る、ミスしやすい内容をメモして貼っておく、あわてたりボーっとしないように健康管理・十分な睡眠・心の余裕を持つ習慣作りをするなど、できることは色々あると思います。
食中毒が赤ちゃんに感染してしまったら?
ひどい下痢や嘔吐があった場合、赤ちゃんはすぐに脱水状態に陥ってしまいます。
もしや食中毒?と感じたら、水分補給・授乳・ミルクの飲み具合に気を付けながら様子を見ましょう。
・血便が出る
・元気がなくぐったりしている
・汗や尿が出なくなった
などの症状があれば、夜でも医療機関を受診してください。
また、水分がとれていても嘔吐が続いているとか、下痢が1日以上続いているなどの症状があれば、医療機関を受診してください。
スムーズな診察のためにも、
・症状の出る前に食べたもの
・いつ頃からどのような症状があるか
・症状に変化はあったか
・直近の嘔吐はいつ頃あったか
をしっかり把握しておいてください。
嘔吐時の水分補給には、経口補水液やスポーツドリンクがよいです。
嘔吐がひどい時は飲んでもすぐに吐くので、嘔吐がおさまってきたら1回あたり一口程度を与えてみて、大丈夫そうなら徐々に与える量を増やします。
ある程度の水分を摂っても吐かなくなってきたら、ヨーグルトややわらかいうどん、おかゆなど消化のいいものを少しずつあげてみます。
おわりに
いかがでしたか?
食中毒にかかったわが子なんて、かわいそうで絶対に見たくないですよね。
しっかり予防のポイントを押さえて夏を無事に乗り切っていきましょう!
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